子ども食堂広がる「配布型」需要コスト急増 「主宰者への支え必要」

西日本新聞 北九州版 白波 宏野

 新型コロナウイルスの影響が長引く中、北九州市内の子ども食堂では、弁当や食料を無料や安価で提供する支援が広がっている。密を避けるため食堂に集まるのが困難になり、代替策として始まったのが食料配布。縁のなかった家庭とつながるきっかけも生まれ、10カ所程度の食堂が配布を続けている。ただ、まとめて食事を提供するより配布にはコストがかかり、新たな課題も見えてきた。

 八幡東区の尾倉市民センターで25日に開かれた子ども食堂「尾倉っ子ホーム」には、約30人の小中学生が集まった。飛沫(ひまつ)防止シートを挟んで友達と話したり、宿題をしたり。その後ボランティアの大学生や教師たちと食卓を囲み、スタッフ手作りの食事を楽しんだ。

 食堂は4年前から月2回開いてきたが、4月に政府の緊急事態宣言が出され、休止を余儀なくされた。このため6月からは弁当や食料を配布する運用に転換。今は弁当配布のほか、まだ食べられるのに廃棄される食品を企業から寄付してもらい提供する「フードパントリー」を毎週実施している。

 フードパントリーを始めた後、食堂利用者が10世帯ほど増えた。運営するNPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」の原田昌樹理事長は「これだけ利用者が増えたのは食堂を始めて以来初めて。フードパントリーは困っている親子をいち早く把握して必要な支援につなげるきっかけにもなる」と話す。

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 市内の子ども食堂は現在33カ所。3月以降は全てが活動を休止したが、市によると現在は17カ所が食堂での食事を再開。うち3カ所はフードパントリーを並行している。フードパントリーだけの食堂は7カ所あり、今後10カ所ほどが並行していく予定という。

 ここでいうフードパントリーは、企業からの食材の寄付だけでなく弁当購入も含む。困窮家庭の食料需要は増える一方だ。6月ごろから市や企業などが購入費を支援する補助金を出し始め、活動が広がっていった。

 市は補助金を出す団体に対し、食料を提供する際には相談も受けるよう要請。家計や生活状況が悪化する家庭が増える中、子ども食堂を介して食事以外の支援にもつなげられるよう促している。

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 一部の補助金があるとはいえ、運営は厳しい。子ども食堂は通常、寄付などで調達した食材をスタッフが調理する。しかし弁当配布だと大半は衛生面などを考えて弁当店などから1個数百円で購入するしかない。費用は調理提供の3~4倍にもなるという。補助金がいつまで続くかも分からない。

 子ども食堂を担当する市子育て支援課の長迫和宏係長は「コロナ禍で経済的に厳しい家庭が増え、食堂で配る弁当や食材は欠かせない支援になっている。寄付を集めやすい仕組みづくりなど、食堂の主宰者を疲弊させないための支えが必要だ」と話している。 (白波宏野)

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