「代わる人いない」 中村哲医師の功績しのぶ 久留米でシンポ 

西日本新聞 筑後版 玉置 采也加

 2019年12月、用水路建設や医療活動に力を注いでいたアフガニスタンで、銃撃により亡くなった故中村哲医師の功績を振り返るシンポジウム「中村哲先生の河川哲学を学ぶ集い」が29日、福岡県久留米市御井町の久留米大御井キャンパスで開催された。参加した約130人は、中村医師の活動に思いをはせながら真剣な表情で聞き入っていた。

 第1部では、筑後川河川事務所の松木洋忠所長が、中村医師が取水口のモデルにした筑後川の山田堰(ぜき)について解説。九州大大学院の島谷幸宏教授は中村医師の作った用水路に関して「現地の地形や暮らしに即した技術は素晴らしく、治水の専門家と言っても過言でない。現地に与えた影響は大きかった」と評価した。

 また、中村医師とともに現地住民に農作業の指導をしたこともあるペシャワール会の徳永哲也理事は、用水路の整備により約1万6500ヘクタールの農業地域などが回復し、65万人が生活できるまでになったことを、写真を交えながら語った。徳永理事は「先生に代わる人はいない。意思を途絶えさせないと誓った」と、途中で声を震わせる場面もあった。

 第2部のシンポジウムでも、活動の詳細について会場から熱心な質問が出て、関心の高さをうかがわせた。 (玉置采也加)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ