やせる秘伝!「高倉健方式」

西日本新聞 オピニオン面

 「高倉健方式」なる秘伝のやせ方があるらしい。そんな話を聞き込んだ脚本家の倉本聰さん。熱湯に入り、温度を上げた腹に塩をもみこむ。これを5回繰り返す。さっそく挑んだ

▼けれど効果が出ない。腹は赤く腫れ、皮がむけただけで見事に挫折した。後日、ご当人に尋ねると健さんは言ったそうである。「何ですそれは」「知りませんよそんなの」

▼出所不明のデマに踊らされた倉本さんの、懸命の努力を哀れんだのだろう。「お宅に等身大の鏡ってありますか」と健さんは本当の秘法を授けたという。「毎日風呂から出たら、すっ裸で鏡に向かって立ちなさい」「これじゃあいけないと思います」

▼世にダイエットの本やテレビ番組は数多いのに、一向にやせないのはこれいかに。無論その責任は当事者にあると分かってはいる。なのに、嘆きのため息は出しても汗一つ出さないのが無精者の生態であろう

▼明日から12月。寒さで外出の回数も減る季節に、今年はコロナ禍が加わる。行動を控えることは感染拡大防止に有効だが、巣ごもりが過ぎて栄養過多や運動不足になりませぬように

▼元大リーガーのイチローさんは「誰でもできるが誰もしない」体調管理法を語っていた。それは「1日3、4回体重を量ること」。一番シンプルに自己の状況を把握できるという。やはり必要なのは続ける根気。いや、鏡の分身と無情な数値から目を背けない勇気かも。

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