“ボス”なき石破派、展望なき存続  本人は総裁選になお意欲

西日本新聞 総合面 湯之前 八州

 石破茂元幹事長が自民党石破派(19人)の会長を退いて、1カ月余―。派閥自体は何とか存続する見通しが強まっているが、後継会長などは白紙のままで、他派閥への移籍を模索する議員の動きも依然くすぶっている。石破氏は来秋の次期総裁選への出馬意欲を捨てていないが、自身も派閥も混迷の淵から抜け出せていない。

 「みんなで固まっていこうという意見が強かった。雲散霧消することはない」。11月26日、石破派の有志の昼食会を終えた中堅議員は、派の現在の雰囲気をこう表現した。

 9月の総裁選で最下位に沈んだ石破氏。10月22日の石破派臨時総会では、最側近で派閥事務総長の鴨下一郎元環境相らに迫られる形で会長の座を降りた。関係者によると、鴨下氏はかつて所属した竹下派にメンバーを集団移籍させた上で、石破氏を「竹下派の総裁候補」として再生し、次期総裁選に出馬させるシナリオを描いていたという。

 ただ、鴨下氏がこうした狙いを石破氏や派内に知らせなかったことから、ボスが空位となった石破派の混乱は深まった。脱退や、竹下派とは別の派閥への移籍を検討する議員が出たり、「石破氏は首相挑戦を諦めた」との臆測が飛び交ったりした。

 その後、石破氏が幹事長時代に初当選した若手メンバーを中心に、派の存続を望む声が強まった。若手は11月18日に石破氏と会食し、結束を確認。木曜日定例の派閥会合は中止が続くが、代わりの昼食会を毎週催している。出席者は増加傾向にあり、同26日には中堅や、重鎮の田村憲久厚生労働相を含む12人が顔をそろえた。「一部がクーデターを企てただけ。大半はこれからも石破さんについて行く」と若手の一人は話す。

 「自分が終わったと思わない限りは、終わらない。決めるのは自分だ」

 当の石破氏は11月20日、自身のパーティーでこう主張。来場者は首相への意欲を捨てていないと受け取った。だが、総裁選惨敗の原因である党内支持基盤の薄さを克服する妙策は見えない。石破派は存続するにしても、特定の総裁候補を推さない「グループ」にすべきだと主張するメンバーも複数いる。

 石破氏を宰相にするため、5年前に発足した石破派。「集まってはいるが、未来も方向性も定まらない。今はそんな状態だ」。長老の一人は息を吐いた。

 (湯之前八州)

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