大学に広まる大麻…「危険ないと誤解されている」識者が指摘

西日本新聞 社会面 山口 新太郎 小川 勝也

 九州厚生局麻薬取締部が大麻取締法違反(所持)の疑いで、福岡大工学部助教の佐野彰容疑者(42)=福岡市早良区=を現行犯逮捕していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。逮捕は11月30日。

 麻薬取締部によると、逮捕容疑は同日午前、自宅で乾燥大麻を所持した疑い。認否を明らかにしていない。同部は1日、工学部の研究室にある佐野容疑者の机などを捜索した。今後、入手経路などを調べる。

 福岡大の朔啓二郎学長は「事実関係を確認し、厳正に対処する。全教職員への指導を徹底し、再発防止に努める。学生や保護者には深くおわび申し上げる」とのコメントを発表した。 (山口新太郎)

   ◇   ◇   ◇

 大麻を巡っては近年、摘発者が急増し、大学でも学生が逮捕されるなどの問題が相次いでいる。覚醒剤など他の薬物に比べて危険性が軽視され、インターネット上で手軽に入手できるため、若者らの間で広まっている実態が指摘されている。専門家は「大麻の恐ろしさが正しく伝わっていない」と危惧している。

 長崎大では1月、男子学生が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたほか、その後も別の男子学生が他人に乾燥大麻を売ったとして同法違反(譲り渡し)容疑で逮捕された。

 この事態を受け、同大は学生約9千人を対象に薬物使用に関するアンケートを実施。大麻について9割近くが「良くない」と答えた一方、「大麻使用を誘われたことがある」「合法化されていないのがおかしい」との答えもあったという。同大は九州厚生局麻薬取締部の担当者を招いた学生向け講演会を3回開いた。

 全国でも、東海大では硬式野球部員が大麻を使用した疑いがあるとして、神奈川県警が10月、寮を家宅捜索。近畿大も同月、サッカー部員のうち少なくとも5人が大麻を使用していたと発表した。大学スポーツの統括組織「大学スポーツ協会」は加盟する大学、競技団体に学生への注意を促す緊急文書を出した。

 長崎国際大の山本経之特任教授(薬理学)は「大麻は危険性がないと誤解されているが、依存性があり脳の発達にも悪影響を及ぼす。快楽を求めてより危険な薬物に手を出すことにもつながる。大学などでは教員も含めた乱用防止教育の徹底が必要だ」と指摘した。

 11月に公表された犯罪白書によると、昨年の大麻取締法違反での摘発者数は4570人で過去最多を更新し、6年連続で増えている。 (小川勝也)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ