原発特措法を10年間延長へ 立地自治体から要望、政府が方針

西日本新聞 総合面 湯之前 八州

 原発など原子力施設の立地自治体を対象に、公共事業の国庫補助率かさ上げなどを定めた「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」(原発特措法)について、政府が現行法の期限の2021年3月以降も10年間、延長する方針を固めたことが1日、官邸筋への取材で分かった。来年の通常国会に法案を提出する。延長は、九州電力玄海、川内両原発のある佐賀県と鹿児島県などが要望していた。

 原発特措法は10年間の時限立法。1999年の茨城県東海村で起きた臨界事故を契機に2000年12月、議員立法として成立。11年に延長されている。

 2度目の延長となる今回は、菅義偉首相が脱炭素社会の実現を掲げ、原発の重要度が高まっているとして政府提出法案に切り替える見通し。期限延長とともに要望が出ている国庫補助率のさらなる引き上げ、対象事業の拡充に関しては政府、与党間で引き続き調整する。

 原子力事故に備え、避難道路や避難所などの整備を推進する目的の特措法。現在、九州を含む14道府県の76市町村に適用され、佐賀県内は玄海町と唐津市、鹿児島県内は薩摩川内、阿久根、いちき串木野の3市が対象自治体となっている。

 道府県が作った振興計画が国に認められると、自治体が道路や港湾、漁港、学校などを整備する際の補助率(通常50%)が最大55%までかさ上げされる。地方債を償還したり、企業誘致のため固定資産税を減税したりした場合も国から支援を受けられる仕組み。

 現行法の延長を巡っては、対象地域選出の議員を中心に要望が強かった一方、11年の東京電力福島第1原発事故を受け、原発と地域振興の在り方を見直すべきだとの異論もあり、議論が続いていた。 (湯之前八州)

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