いじめや就活で悩み…吃音ある97人の道のり「社会を変えたい」

西日本新聞 くらし面 梅本 邦明

 吃音(きつおん)がある人の支援拠点「きつねっとファクトリー」代表の原真琴さん(24)=福岡市西区=が当事者97人の体験談をまとめた「きつねびより」を自費出版した。いじめや就職活動の悩み、それを克服するまでの道のりなどがつづられる。「私たちの苦労や努力に気付いてほしい」と訴える。

 原さんが今年4~6月に会員制交流サイト(SNS)などで体験談を募り、全国から20~70代の男女が寄稿。全編を掲載した。

 大阪府の20代は小学生の頃から「緊張しすぎ」「気持ち悪い」などと周囲に言われ、中学生で自殺を図った。高校中退後、思い切ってアルバイトを始めた飲食店で吃音を隠さずに客と話すことで症状が軽減した。兵庫県の30代は就職活動の面接でうまく話せず、不採用が続いた。ある面接官には「そんなんだからこの時期になってもどこも受からないのよ」と言われた。その後、契約社員として職場を転々としたという。

 原さんもつづった。小学校で話し方をまねされて自分を否定するようになった。だが高校1年生で「吃音」という言葉を知り「悪いのは吃音で私じゃない」と前向きになれたという。

 原さんは大学入学後に自助グループ「福岡言友会(げんゆうかい)」に参加。そこで同じ当事者でもそれぞれ悩みが異なることに気付いた。さまざまな症状や必要な配慮を広く訴えるため、本の出版を決意したという。

 原さんは2018年、きつねっとファクトリーを設立。インターネット上で資金を募り、筆談のように意思を伝えられる電子メモ帳を購入して当事者ら460人に無料で配るなどした。「治療に一生をささげるのではなく、吃音があっても堂々と生活できるように社会を変えたい」と語る。

   ◇    ◇

 本はA5判194ページ。1900円(送料別途)。きつねっとのホームページから購入できる。

PR

くらし アクセスランキング

PR

注目のテーマ