踏み間違えは怖い

西日本新聞 オピニオン面

 ブレーキとアクセルの踏み間違え。年齢を重ねると、足元の不如意はひとごととは思えない。高齢運転者による事故の悲劇は後を絶たない。運転免許証を返納するのが一番だが、次善の策も推奨されている

▼高機能の安全装置を備えた「サポカー」への乗り換え。歩行者などを検知して車を自動制御し、事故を防止する。65歳以上なら購入時に国から最大10万円が補助される

▼ブレーキといえば、こちらはどこか危うい。国と東京都の双方が停止に二の足を踏み、高齢者などに利用自粛を促すだけの結論に

▼東京発着の「Go To トラベル」である。停止の判断は「自治体に委ねる」という菅義偉首相に対し、小池百合子都知事は「国の事業なら国で判断を」と譲らず、折衝は難航。それぞれ正論のようで、経済への悪影響を恐れ、責任を押し付け合う印象もある

▼観光需要喚起策とコロナ禍の因果関係ははっきりしない。ただ、流行の第3波は東京が事業対象に加えられた10月以降に広がった。そこに着目し、ここでブレーキを、という専門家の声もある

▼サポカー補助金の運用開始はコロナ感染が広がり始めた3月。効果のほどはまだ不明だが、今年の全国の交通事故件数は10月末現在、前年同期比で2割減、死者数は1割減で推移中。コロナの犠牲者を減らすためにも足元が肝心だろう。国と都の足並みがそろわねば、それこそ対策が足踏みするだけだ。

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