免田栄さん、地元の関係者から追悼の声「寄贈の再審資料生かす」

 1948年に熊本県人吉市で一家4人が殺傷された「免田事件」で死刑が確定し、83年に再審無罪になった免田栄さん=福岡県大牟田市=が死去した5日、熊本の関係者からも悼む声が上がった。

 免田さんは釈放後の約1年間、熊本市中央区の社会福祉法人「慈愛園」の関連施設に身を寄せた。理事長の潮谷義子さん(81)は「昨年10月にお会いした時は元気だった。急な出来事に驚いている」。

 免田さんは毎年クリスマスに合わせ、園の子どもたちにリンゴやミカンを届けていたという。「園で子どもたちとの交流はなかったが、偏見なく接してくれる存在が支えになっていたのでは」と潮谷さん。「非常に優しい心を持った方だった」と振り返った。

 高齢になった免田さんと妻玉枝さん(84)は集めた資料の散逸を防ぐため昨年、再審請求や死刑に関する国の文書などを熊本大に寄贈した。昨年9月、資料の一部を公開する同大の企画展に姿を見せた免田さんは「自分の経験を生かし社会に尽くしていきたいが、どこまで果たせるかわからない。皆さんの知恵をお借りしたい」と話していた。玉枝さんは「若い人が『苦労している人がいたら助けよう』と行動するきっかけになれば」と訴えた。

 同大の岡田行雄教授(刑事法)は「全ての資料に目を通し、今後どう活用するか協議の最中だった。まだ話を聞きたい事はたくさんあった」と残念がった。

 資料の中には、免田さんの父に国から届いた「再審請求中は死刑執行がされない」という趣旨の文書もある。再審請求中に死刑を執行している近年の国の見解とは異なり、岡田教授は「国が現在とは違う実務をしていたことを証明する貴重な文書」と言う。「資料を最大限生かすのが免田さんの志に沿うことだと思う。冤罪(えんざい)や再審請求を考えるため、研究者だけでなく多くの市民が目に触れる機会を増やしていきたい」と力を込めた。 (綾部庸介)

熊本県の天気予報

PR

学ぶ!SDGs×企業

  • 2021年10月20日(水)
  • カフェ&コミュニティースペース dot.(ドット)交流スペース
開催中

ストレッチング講座

  • 2021年9月13日(月)、15日(水)、22日(水)、27日(月)、29日(水)、10月6日(水)、11日(月)、13日(水)、20日(水)
  • 野中生涯学習センター

PR