薬やめて悪玉コレステロール値が悪化 効くのは服用中だけ、薬の再開を

西日本新聞 医療面

 脂質異常症と診断され、10年ほどになります。昨秋、医師の勧めで薬を飲み始め、高かったLDL(悪玉)コレステロール値が改善したのですが、新型コロナウイルスもあって病院通いを避け、薬をやめると再び悪化し、184ミリグラム/デシリットルになりました。生活習慣にも気を配っていたのに…。(福岡県久留米市、42歳男性)

久留米大医学部准教授 久留米大医療センター医師 加藤 宏司さん

 脂質異常症は、血液の中のLDLコレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪の濃度が高すぎたり、低すぎたりする病気です。以前は「高脂血症」と呼ばれていました。LDLコレステロールは140ミリグラム/デシリットル以上になると脂質異常症が疑われます。HDLコレステロールの正常値は40ミリグラム/デシリットル以上、中性脂肪は150ミリグラム/デシリットル未満とされています。

 LDLコレステロール値が高くなる原因の一つが食事です。卵、肉の脂身、乳製品などを多量に摂取すると、濃度が上昇します。食生活の欧米化との関係も指摘され、近年、若い世代で数値が上がったとの研究報告も出ています。甲状腺機能低下、糖尿病など他の病気に伴う場合もあります。食事や運動を心掛けていても高い値が続くのであれば、遺伝的疾患の可能性があり、注意が必要です。

 LDLコレステロールは血管の壁に沈着し、血管内側の空間を狭めていきます。動脈硬化を促進し、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞を引き起こす可能性があります。中性脂肪は炭水化物や糖質、アルコールなどの過剰摂取で作られ、その一部が血管に沈着します。一方、HDLコレステロールは血管への沈着を防ぐ効果がありますが、運動不足や喫煙によってその値が下がると、動脈硬化が進行するので要注意です。

 治療法は、コレステロールを多量に含む食材を減らし、野菜をたくさん食べ、運動するなど生活習慣を改善することが基本です。それでも改善が見られない場合は、コレステロールの合成を抑制し、血中のLDLコレステロールを低下させる内服薬の処方を考えます。しかし、その効果は服用中のみ。残念ながら現在の医療では、いったん血管に沈着した物質を取り除くことは困難です。

 あなたの場合は、運動をしたり食事に気遣ったりしても悪化したとのことなので、薬を早く再開する必要があるでしょう。

 (福岡県久留米市)

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