コロナ禍、経済回復鈍く「財政出動の適正規模見極め」重要

 新型コロナウイルスによる経済的打撃の国際比較が注目されている。2020年の国内総生産(GDP)は9月までの累計で、コロナ前の水準と比べて欧米よりも日本の減少幅が小さい。政府は景気回復のペースに着目し、戻りが弱いとして大型経済対策の編成を急ぐが、専門家には「経済の落ち込みそのものは欧米ほどではない。財政出動の適正規模を冷静に見極めるべきだ」との声もある。

 新型コロナ禍の世界経済は4~6月期に最も落ち込み、その後は持ち直しの動きが続いている。SMBC日興証券によると、7~9月期GDPの前期比上昇率はユーロ圏70・7%、米国65・7%、英国55・5%で、日本は55・2%と欧米に比べて回復が鈍い。

 もっとも、欧米の景気の急回復は下落の谷の深さに比例している。4~6月期GDPをコロナ前の2019年10~12月期と比べると、英国21・8%減、ユーロ圏15・1%減、米国10・1%減。一方で日本は8・7%減に踏みとどまっていた。ロックダウン(都市封鎖)を実施したかどうかの差が大きい。

 こうしたデータに基づき、直近3四半期のGDP総額をコロナ前の水準と比較。19年10~12月期の3四半期分と比べた減少幅は英国11・4%減、ユーロ圏7・7%減、米国5・0%減。これに対し、日本は4・5%減にとどまり、景気回復のスピードが速い欧米よりも経済的打撃は小さいことが分かった。

 西村康稔経済再生担当相は7~9月期のGDP速報値を発表した11月16日の記者会見で「日本の成長率の戻りが遅い」ことを強調し、強力な経済対策の策定に意欲を示した。内閣府によると、既に日本の経済対策規模は対GDP比で国際的にもトップクラスだが、政府は事業規模73兆円超の新たな経済対策を8日に閣議決定する予定だ。

 対策に過剰感はないか。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは「日本経済の持ち直しの鈍さは確かだ」とした上で「経済への累積的な悪影響は比較的小さい。国民生活にとっては、それが重要なことだ」と述べるにとどめた。 (中野雄策)

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