「障害を自分のことと考えて」車いすバスケ・安尾笑さん中学校で講演

 「全ての人が当たり前に、ありのままの自分で生きていける社会を」-。車いす女子バスケットボール選手として、東京パラリンピック出場を目指している安尾笑(えみ)さん(27)=大分市=が11月24日、大分県玖珠町のくす星翔中で講演した。自らの体験を披露しながら、障害者も健常者も積極的に社会に参加、貢献できる「共生社会」の実現に向けた思いを熱く語りかけた。

 子どもたちにスポーツへの関心と、他人への思いやりの心を身に付けてもらおうと、スポーツ庁が全国展開している事業の一環。同中の1年生125人が聞き入った。

 先天性の障害で両脚にまひがある安尾さんは、成長するにつれて人目が気になりだし「健常者と比べてしまい、自分のことを好きになれなかった」と中高生時代のさまざまな葛藤を振り返った。心ない言葉で何度も傷つき、生きづらさも感じてきた。

 そうした中で「すてきな出会い」もたくさんあった。車いすバスケットのコーチには「他人をねたんでいる自分に、ひたむきに努力する大切さを教えてくれた」と感謝する。

 共生社会に向け、ヒントとなる中学時代の経験も紹介した。当時つえを突いていて、教室移動の際に教科書を持てなかったが、同級生に「誰か持って」と言えなかった。ある日、先生が持ってくれたのを機に、いつの間にかクラスの誰ともなく進んで持ってくれるようになった。「一緒に生活していて、障害者が何に困っているか分かるようになったと思う。私への声掛けが当たり前になった」

 自分自身も、自分の大切な人もいつか障害者になるかもしれない。そう訴える安尾さんは、障害者へのサポートについて「人ごとではなく、自分事として考えてほしい」と呼び掛けた。

 田吹詩織さん(13)は「障害のある人がどんな気持ちで生活しているのかがよく分かった。共生社会に向け、自分も困っている人がいたら声掛けをしたい」と話した。安尾さんは講演後、生徒たちに車いすバスケットを教える授業も行った。 (吉田賢治)

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