変化に敏感な入所者…クラスター起きた障害者施設、療養に難題

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が起きた北九州市小倉南区の障害者施設「やまびこ学園」では、無症状の入所者が施設内で療養を続け、職員が付き添いで対応している。感染した職員13人は北九州市内の医療機関などで療養中で、市は職員の不足に備えて他施設からの派遣も検討するが、生活リズムや習慣の変化に敏感な障害者は少なくない。「サポートできる範囲は限られてくる」(市幹部)と対応の難しさをにじませている。

 市によると、感染が確認された入所者34人のうち、最初に感染が判明した重症の50代男性が医療機関に入院し、残る無症状の33人が施設で療養中。市は8日に保健所の職員や産業医科大の医師を施設に派遣し、施設内で感染者と非感染者の区域に分ける「ゾーニング」や換気などの感染対策を指導。9日までにマスクや手袋などの物資も届けたという。

 療養中の入所者には、陰性だった約130人の施設職員が対応に当たっており、現時点で不足はないという。ただ施設内で感染が拡大するなどして職員が足りなくなった場合に備え、市は市内15施設を運営する10法人に協力を要請。市幹部は「対応できなくなる事態は避けたい」と力を込める。

 ただ、小倉北区で障害児のデイサービス施設を運営する小笠英之さん(44)は「職員の派遣はかなり難しい」と指摘する。環境の変化に敏感な障害者は、食事の時間や服を着る順番などわずかな変化でもパニックになることがあるという。小笠さんは「障害者への対応は職員との信頼関係が何よりも大事だ」と説明。市幹部も「人的支援は極めて難しい面がある。後方支援がメーンになりかねない」と漏らす。

 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「障害者は環境の変化に弱く、職員が変わることでストレスになることがある。市としての支援は、保健所による指導や防護服の提供が主となるだろう」と話した。

 (野間あり葉、岩谷瞬、山下航)

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