「学術会議は新組織に」自民検討チームが提言案 批判はトーンダウン

 自民党は10日、日本学術会議の在り方を検討する党プロジェクトチーム(PT)の提言を了承、11日に政府に申し入れることを決めた。2023年9月までに、政府から独立した法人格を持つ新組織に移行するのが望ましいなどとする内容。任命拒否問題で焦点が当たった学術会議に「政治や行政が抱える課題認識の共有」を求めけん制する半面、世論も意識して当初の威勢の良さはややトーンダウンした。

 PTは、菅義偉首相による会員候補6人の任命拒否が表面化した後の10月14日に初会合を開催。年間約10億円の国費支出や現在の組織形態が妥当かなどを議題に据え、首相がアピールする行政改革を印象付ける狙いが透けたため、野党から「任命拒否問題の『論点ずらし』だ」との批判を浴びた。

 取りまとめた提言は、学術会議が「政策のための科学」の役割を十分に発揮しているとは言いがたいと主張。「政策リテラシーの向上」も要求し、1年以内の制度設計や法改正が必要とした。問題意識の出発点には学術会議が17年、研究機関による防衛省の軍事研究参加に対し、「政府介入が著しい」と批判する声明を出したこともあったとされる。

 首相が「多様な会員を選ぶべきだ」と疑問視した選出方法でも歩調をそろえ、「同質的な集団の再生産」とならないよう「(現)会員推薦以外の道を確保すべきだ」とした。

 一方、提言案の段階では盛り込まれていた「活動実態が見えにくい」などの強い批判は、PTメンバーから「『一定の敬意は表すべきだ』との注文があった」(幹部)ため表現を和らげたり、理解を示す記述に修正したりした。野党や市民団体から、学術会議への公権力の介入は「学問の自由を侵害する」との指摘が続いており、「政府に肩入れしすぎても、メリットはない」(党ベテラン)と一定の配慮を働かせた。

(河合仁志)

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