PM2.5削減で気温上昇 温暖化と大気汚染「対策両立を」 九大主幹教授

西日本新聞 社会面 四宮 淳平

 九州大の竹村俊彦主幹教授(気候学)は、人の活動に伴って排出される微小粒子状物質PM2・5をゼロにすると、北半球の高緯度地域で平均0・5度気温が上昇するという試算結果を発表した。二酸化炭素(CO2)濃度が高いほど、PM2・5の削減に伴う気温の上昇幅は大きく「大気汚染対策と温室効果ガス削減を両立させる必要がある」としている。研究成果は10日付の国際学術誌に掲載された。

 PM2・5の主要物質となる硫酸塩エーロゾルは、化石燃料を使うと大気中に排出される二酸化硫黄が変化したもの。大気汚染を引き起こす一方、太陽光を散乱することにより大気を冷やす効果があるという。

 PM2・5などによる大気汚染は新興国や途上国では依然として深刻で、世界では年に約700万人が亡くなっていると推定されている。各国が対策を進める中、二酸化硫黄の排出量は世界的に減少傾向にあるという。

 竹村氏は、2000年のデータに基づいて、人の活動を起源とする硫酸塩エーロゾルがゼロになった場合の気温を独自システムで解析した。この結果、大気汚染が起きている地域では冷却効果が薄れるため、北半球を中心に気温上昇が顕著となり、影響は北極にまで及ぶことが判明。80年にはCO2濃度が2000年の2倍になると想定して解析したところ、CO2の影響に伴う上昇分とは別に、北半球の高緯度地域の平均気温が1度高くなった。

 竹村氏は「先進国がこれまで大気汚染対策を進める一方で、温室効果ガスの排出は増やしてきたことで温暖化は一層進んだ」と指摘。温暖化防止と大気汚染対策を両立するには「化石燃料を使わない生活にシフトすることが急務だ」と訴えている。

 (編集委員・四宮淳平)

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