舞台に立てる!当たり前のありがたさ 「マンマ・ミーア!」出演 高倉恵美さん

 ギリシャの小島を舞台に、母娘の絆や友情を描いた劇団四季のミュージカル「マンマ・ミーア!」が福岡市博多区のキャナルシティ劇場で上演されています。主人公でシングルマザーのドナの親友ターニャ役を演じているのが、高倉恵美さん=福岡県春日市出身。スタイル抜群で色香を武器に、資産家と結婚しては離婚を繰り返すという奔放な女性ターニャ。その役への思いや、自身の四季での活動などを振り返ってもらいました。

 -ターニャ役を演じて感じるものは。

 ★高倉 8年ぶりにドナに会ったターニャはお金持ちを追っかけ、3回結婚して3回離婚しています。自由奔放ですよね。38歳の設定です。一方で、物語ではお金も地位もない男性ペッパーと恋をする。そこも面白いです。私がこの役を初めて演じたのは4年前の38歳の頃なので、自分と重なります。彼女はどうやって生きてきたかというところを演じるのは、すごくエネルギーがいります。普段の私は真面目風にしていますが、猫をかぶっています(笑)。彼女の自由奔放なところは憧れますね。

 -物語のおすすめは。

 ★高倉 ターニャはもちろん、一人娘ソフィを育てるため、ホテルを切り盛りしてきた主人公の未婚の母ドナ、独身を貫く女性編集者ロージーの三者三様の人生。お客さまはそれぞれに思い入れが出てくると思います。40~50代の女性の方に特に見てほしいですね。

 -四季入団のきっかけは。

 ★高倉 高校を卒業し、1997年に四季の研究所に入りましたが、実は高校1年のときオーディションを受けました。4歳のときからバレエを習っていて、将来踊ることで食べていけたらと思い、オーディションを受け、合格しました。ところが、浅利(慶太、劇団四季創設者)さんから「2年待て」と言われて、待ちました。そのとき浅利さんに「2年も覚えてくれるのですか」と疑問を投げ掛けました。実は浅利さんが偉い人とは知らなくて、こんなことを言っちゃいました。今考えてみると怖いですね(笑)。でも浅利さんはしっかり覚えてくださって、高校3年のときにキャナルシティ劇場のこけらおとしとなった公演「オペラ座の怪人」で出演しました。授業を終えて、学校帰りに西鉄電車とバスに乗って通ってレッスンしたのが懐かしい思い出です。

 -劇団でキャリアを重ねてきた。思い入れのある作品は。

 ★高倉 たくさんありますが「キャッツ」ですね。ミステリアスな「タントミール」、女王的な存在の「ボンバルリーナ」。ダンスに秀でた「ヴィクトリア」とそれぞれの猫を演じてきました。年齢によって感じ方が違います。幸せとは何だろうと問い掛ける作品です。

 -福岡県春日市の出身。実家との絆も深い。

 ★高倉 福岡で公演があるときは、実家から通っていました。今はコロナの影響で、劇団が借りたマンションから通っています。両親とも健在で、帰省できないのは寂しいです。ただ公演には来てくれています。うれしいですね。舞台から家族がいるのが、よく見えます。

 -そのコロナの影響で公演の休止が続いた。いろいろとつらい思いを。

 ★高倉 夏場の稽古が大変でした。マスクをしたままだから、発声や踊りの練習は息苦しかったですね。ただ世の中どこでもそういう苦しみの状態でした。休演も続きました。つらかったですが、いま舞台に立てる幸せを感じています。当たり前のことができる日常は、本当に素晴らしい。ありがたいことです。公演ではお客さまから大きな拍手をいただいています。元気づけられ、勇気づけられています。その分、お返しができればと考えて日々演じています。           (文・山上武雄)

 ▼たかくら・えみ 福岡県春日市出身。「オペラ座の怪人」で初舞台。「キャッツ」「クレイジー・フォー・ユー」「ソング&ダンス」「エビータ」「ウェストサイド物語」などに出演。

 マンマ・ミーア! 世界的ポップグループ「ABBA(アバ)」のヒット曲に合わせてストーリーが展開。福岡公演は来年1月3日まで。新型コロナウイルスの影響で、検温や座席数を減らすなどの感染予防策を実施。チケットはS席1万1000円からC席3300円まで。有料託児サービスあり。チケットは劇団四季のウェブサイトや窓口で販売。劇団四季=(0570)008110。

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