かむほどに多様な味わい 福岡・川崎町の玄米餅

 「楽して稼げる仕事はない。どうせ苦労するなら、親の後を継ぎ、地元で農業する」。福岡県農業大学校を卒業後、2年間家を出て、農業とは全く関係のない仕事をした後に決意したという。同県川崎町池尻で代々農業を営む中村家の6代目、中村篤さん(29)の話である。

 父の明さん(61)とともに7年前から16ヘクタールで米を作る。一方、この季節になるとこしらえるのが玄米餅。硬い皮付きのままつくため、普通の白餅作りのように一筋縄ではいかないそうだが、口に入れるとかむほどにいろんな味わいが楽しめる。

 つぶれているようでつぶれていない粒の、ちょっとしたざらざら感。ぬかの持つ香ばしさ。回り道はしたけれども自分の進むべき道を見つけ、1児の父親にもなった篤さん。その人生もまた、この玄米餅のように、味わいを増していくのだろう。

 直売所でも、以前は白餅の方が売れていたが、今は玄米餅の方が人気があるそうだ。「一度玄米餅を食べたら、こっちじゃないと、というお客さんが増えて。毎年、『冷凍して食べるから箱に入るだけ送って』と、一度に50袋注文される方もおられますよ」

 賞味期限は1カ月。正月の雑煮用にと多めに買って帰ったら、「これ、うまかね~」と家族。また、買いに行こうっと。 (佐藤弘)

 ▼中村家の玄米餅 11個入り(約500グラム)、税込み500円前後。福岡県川崎町農産物直売所「De・愛」や田川・飯塚地区のスーパーなどで販売。3月ごろまで製造。中村さん=0947(42)1259(ファクス兼用)。

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