「融和」実現にトランプ氏の壁 バイデン氏公約に暗雲漂う

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選は14日、選挙人投票で民主党のバイデン次期大統領の勝利が事実上確定した。米国内ではトランプ大統領を支持する保守系識者からも「選挙は終わった」との声が上がる。ただ、トランプ氏による執拗(しつよう)な選挙不正の訴えは一部保守層に浸透。バイデン氏が掲げる「融和」の実現には暗雲が漂う。

 「団結し、癒やすためにページをめくる時が来た」。14日夜のテレビ演説でバイデン氏は、いまだ大統領選の敗北を認めないトランプ氏に平和的な政権移行を要求しつつ、全国民に改めて連帯を呼び掛けた。

 11月に当選確実と報じられた直後の演説と同様、この日も「全国民のための大統領になる。私に投票しなかった人のためにも一生懸命に働く」と強調したバイデン氏。だが、その思いを受け止めようとするトランプ氏の支持者は、現時点では限定的とみられる。

 トランプ氏や陣営が「選挙の大規模な不正」を訴え続けたことで、選挙結果に対する不信感が支持者を中心に拡大。保守系FOXニュースの世論調査で、トランプ氏の獲得票が民主党側から「盗まれたと思うか」との問いに「そう思う」と答えた人は、全体では36%だったのに対し、共和党支持層では68%を占めた。

 12日に首都ワシントンで開かれた選挙不正を訴える集会には、トランプ氏を信じる数千人が集結。支持者の中には、選挙不正の主張について「説得力を欠き、もう逆転勝利は無理だ」(20代の白人男性)との声もあるものの「だからといってバイデン政権には全く期待していない」(同)といった批判が圧倒的だ。

 金銭疑惑がささやかれていたバイデン氏の次男が、中国などとのビジネスに絡む税務捜査を受けていることも判明。バイデン氏を「違法の大統領」と呼んで攻撃するトランプ氏が、新政権のイメージ悪化を図る動きを政権交代後も続ける事態は避けられそうにない。

 バイデン氏は約1カ月後の政権発足に向けた準備を急ぐが、積年の課題である「社会の分断からの脱却」は早くも試練に立たされている。

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 来年1月20日に発足する民主党バイデン次期政権の始動に向けた動きを追う。

 

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