失敗に終わった「勝負の3週間」 医療体制、深刻化の一途

 政府が11月25日に「勝負の3週間」(西村康稔経済再生担当相)と位置付け、新型コロナウイルスの感染抑制に乗り出してから16日で3週間。医療提供体制や保健所の逼迫(ひっぱく)具合は深刻さを増すばかりで、期待したほどの効果は上がらなかったのが現状だ。

 西村氏は15日の記者会見で「(新規感染者が)減少傾向に転じていない。医療は厳しい状況になってきている」と振り返り、終始、硬い表情を崩さなかった。企業や事業所などが休業に入る年末年始を機に「感染拡大を抑えることが何より大事だ」と訴えた。

 この間、政府と自治体は、北海道や首都圏、関西などで営業時間の短縮要請や、観光支援事業「Go To トラベル」の部分的制限を実施してきたが、政府の感染症対策分科会が求めた人の往来や接触機会の削減には至らなかった。

 ソフトバンク子会社のアグープ(東京)が携帯電話の位置情報に基づき調べた結果、14日午後3時時点の全国の主要駅や繁華街の人出は、全45地点の6割超に当たる28地点で4月の緊急事態宣言発出前より増加。外出に歯止めがかからない状況は続いている。

 感染拡大地域を中心に医療提供体制はこの3週間で悪化をたどった。11月24日時点で緊急事態宣言に相当する「ステージ4」の指標に該当するのは兵庫県だけだったが今月14日時点では北海道、東京都、愛知県、大阪府にも拡大。重症者用病床の使用率も高まっている。

 しわ寄せは各地の保健所にも及び、特に都市部では感染経路を特定する「積極的疫学調査」に手が回らないのが実情だ。西村氏はこの日、人員配置が厳しくなる年末年始の医療や検査体制への不安を念頭に、大人数での飲食など感染リスクが高まる「五つの場面」の回避を改めて呼び掛けた。

 (河合仁志)

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