無関係なのに…春菊「風評被害」続く 他の作物にも影響

西日本新聞 筑後版 平峰 麻由

 JAくるめ(福岡県久留米市)が出荷し福岡市の青果店などで売られた春菊の一部から基準値の180倍の農薬が検出された問題は、発覚から1週間たった今も、無関係の久留米市などの農家を風評被害で苦しめる。1軒の農家が誤って農薬を春菊に直接かけたことが原因なのに、他農家の春菊や、問題の春菊と同じ「筑紫次郎の贈りもの」と記した袋のホウレンソウや小松菜まで影響を受けている。

 JAくるめは、問題の農家に残っていた春菊を全量廃棄。JAくるめを通して出荷する無関係の全3農家の畑にある春菊も、農薬の不適切使用はなかったが、全量廃棄したと公表した。「次回の作付けまで市場に出回ることはない」と消費者に呼び掛けている。

 久留米市中央卸売市場で取引される春菊は、余波を受けて一時値下がりした。青果市況の春菊1束を見ると、3日は40~65円だったものが、問題発覚後の10日は1~30円に下落した。

 「筑紫次郎の贈りもの」をうたい、JAを通さず卸売市場に出していた春菊農家は、記載のない袋に替えて出荷している。市内の春菊農家秋山吉徳さん(48)は15日、「信頼を取り戻すのは時間がかかるだろう。他の農家は農薬使用法をよく確認して作っている。安心してほしい」と話した。

 ホウレンソウや小松菜など「筑紫次郎の贈りもの」の袋だった作物は、卸売市場が使わないよう呼び掛けたため、記載のない袋に替えた。一部はそのまま使っており、販売価格は低い。15日の卸売市場の競りでも「筑紫次郎の贈りもの」のホウレンソウは、他のホウレンソウより安かった。

 市場の関係者は、今回の農薬問題が、1軒の農家のミスで生じたことを改めて強調。「無関係の農家がこれ以上風評被害を受けないよう正しく理解してほしい」と語る。

 (平峰麻由)

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