「対応に不備」発言認める 佐賀県警幹部、調査と矛盾 太宰府女性暴行死

 福岡県太宰府市で昨年10月に暴行され死亡した佐賀県基山町の女性=当時(36)=の家族が事件前、佐賀県警鳥栖署に繰り返し相談していた問題で、同県警の木下公三・刑事部管理官が15日、西日本新聞の取材に応じた。木下氏は、県警が今年7月、家族に対応の不備を認めて謝罪したことを認めた。一方で、県警が公には対応に不備がなかったと説明していることとの整合性については「お答えできない」と述べた。

 7月のやりとりは、家族が提出した質問状に対し、木下氏ら県警幹部が口頭で回答した際のもの。家族が録音した音声によると、県警側は署員の対応や署幹部の指示に「問題があった」と認め、「非常に申し訳ない」と謝罪していた。

 これまで県警は「(謝罪したのは)警察の対応に不備があって申し訳ないという脈絡ではない」(井手栄治刑事部長)と否定していたが、木下氏は「録音された通りだ」と認めた。

 県警は10月、対応に不備はなかったとの調査結果を公表した。家族に説明した段階から見解が変化したのか問うと、木下氏は「申し上げられない」とし、説明しない理由についても「言えない」と述べた。

 署の対応を巡っては、署が相談対応を記した内部文書の記載内容が、事実と異なる疑いも浮上している。これについて、木下氏は「県議会で説明した通り」と回答。県警側は10日の県議会常任委員会で、質問と無関係な答弁を繰り返していた。

(宮崎拓朗)

説明責任に背を向けるな

 説明責任に背を向けたまま、やり過ごそうという意図なのだろうか。

 佐賀県警は7月、「鳥栖署が迅速に対応してくれていたら事件は防げた」と訴える家族に対し、「一つ一つの相談に誠意を持って対応すべきだった」と非を認め、家族に寄り添うような発言を重ねていた。だが、その3カ月後には、対応に不備はなかったとする正反対の調査結果を公表した。

 15日の取材では、見解が変遷した理由を尋ねたが「答えられない」の一点張り。家族をなだめるための「二枚舌」だったのではないかとすら考えてしまう。

 家族が県警に説明を求めているのは、繰り返し相談しても被害届受理などの対応を署がしなかった理由を知りたいからだけではない。相談対応の在り方そのものを改めてほしいとの思いからだ。

 県警の杉内由美子本部長は「本件を今後の教訓とし、重大な結果が生じることもあり得ることを念頭に、より丁寧な申し出対応を心掛けたい」と繰り返す。だが、「不備はなかった」と主張しながら、どんな教訓が得られるのか。県民の安全を守る機関として、納得できる説明を尽くしてほしい。

(木村知寛)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR