最悪の「豊作貧乏」産地は悲鳴 野菜値下がり コロナ、好天で

西日本新聞 筑後版 内田 完爾

 多くの野菜の販売価格が11月中旬以降、低迷している。鍋のシーズンに消費者の財布にとってはありがたいが、筑後地区の生産者は悲鳴を上げている。新型コロナウイルスの影響で需要が低迷していることに加え、今月中旬まで好天が続き野菜の生育が順調だったのが要因。

 「まさに豊作貧乏だ。今の時期としては、記憶にある中で最悪だ」。葉物野菜を栽培する小郡市内の農家の男性はうらめしげに空を見上げた。今年は夏場を過ぎてから生育が順調だった。「病気が少なく、家庭菜園でもできが良い」と話す農家もいる。品目によっては採算割れのため、畑で廃棄する農家も出始めている。

 久留米青果の担当者によると、筑後地区の地場野菜の出荷が増え始めた11月中旬以降、野菜価格が一気に急落した。12月1~10日の1キロ当たりの平均価格でホウレンソウ、コマツナ、ミズナの葉物野菜が前年同期比約30~45%下がり、根菜のダイコンも約30%の下落で担当者は「野菜が全般的に低迷している」と話す。他の市場では、買い手がつかず競りが中止になったケースもあるという。

 JAみいによると、生育が順調なため、1月出荷予定だったサニーレタスが前倒しで出荷されている状況だという。担当者は「出荷量は野菜全体で昨年と比べ1・3倍くらい多い」と話す。

 生産者や市場関係者らは好天以外にも安値のさまざまな要因を指摘する。平年並みの寒さを予想し多めに栽培したが、気温が思った以上に高かった。7月の豪雨後に種まきの時期が一斉に重なってしまった。国の新型コロナの次期作支援の交付金を当て込んで生産量が増えすぎた…。

 福岡市で青果店を営む40代の男性は「結局は忘年会中止などで、野菜が売れないのが一番大きい。冷え込みで、家庭での鍋などの需要が回復するのに期待するしかない」と話した。 (内田完爾)

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