「月の土」44年ぶり持ち帰り成功 宇宙強国・中国へ月面基地計画も 

 【北京・坂本信博】中国国家宇宙局は17日未明、無人月面探査機「嫦娥(じょうが)5号」が内モンゴル自治区の草原地帯に帰還し、月の土壌試料の持ち帰りに成功したと発表した。米国、旧ソ連(ロシア)に続いて3カ国目、44年ぶりの成功。習近平指導部は2030年までに中国を米国に対抗できる「宇宙強国」とする目標を掲げ、月面基地の建設計画などを着々と進めている。国威発揚に加えて資源開発や軍事兵器研究の狙いもあり、宇宙空間が「新冷戦」とも呼ばれる米中の覇権争いの場となる恐れがある。

 中国神話に登場する月の仙女の名を冠した嫦娥5号は、11月24日に海南省の文昌発射場から大型ロケット「長征5号」で打ち上げられ、機体から分離された着陸機が12月1日に月面に軟着陸。ロボットアームやドリルで深さ約2メートルの地中と地表の土壌を計約2キロ採取した。試料を運ぶ小型機が月面を離陸し、上空約200キロで待機する軌道周回機と合体。そこから分離された帰還機が地球に戻った。

 他の天体から土壌を持ち帰るのは「今までで最も複雑で難しい任務」(国家宇宙局)で、中国初。中国メディアは「月上空でのドッキングは世界初」とも強調して中国の技術力を誇り、習氏は17日「中国の宇宙事業は大きな一歩を踏み出した」との談話を発表した。

 米国は1960年代後半~70年代前半の「アポロ計画」の有人探査で、旧ソ連は76年に無人探査機「ルナ24号」で、それぞれ30億年以上前の月の土壌試料を持ち帰った。今回の試料は、それらより新しい12億~13億年前のものと推定されており、月の起源や火山活動、当時の太陽系の姿を解明する手がかりになり得る。

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