「悪質な“飲酒運転”明らかになった」船内の20歳死亡事故 遺族の憤り

西日本新聞 社会面 鶴 加寿子 梅沢 平

 博多港(福岡市東区)に停泊中の貨物船内で昨年1月、大型トレーラーを誘導していた運送会社社員の木塚國義さん=当時(20)、福岡県宇美町=がトレーラーとコンテナに挟まれ死亡した事故で、運輸安全委員会は17日、作業前に飲酒していたトレーラー運転手について「飲酒が運転技能に影響を及ぼした可能性がある」とする調査結果を公表した。

 委員会の報告書によると、事故は昨年1月20日午前1時55分ごろ、船内のコンテナ積載作業中に発生。トレーラー運転手は後方にいた木塚さんの笛の合図を聞いてトレーラーを停止させたが、木塚さんはトレーラーとコンテナに挟まれて死亡した。トレーラーは完全に停止していなかったとみられるという。

 運転手は前日夜、近くの店で夕食を取った際、同僚の忠告に従わずビールジョッキ3杯と焼酎水割り2杯を飲んだ。その後、トレーラー内で仮眠した後に缶ビール2本を飲んでいた。

 報告書は、飲酒による運転手への具体的な影響は不明としたものの、「状況判断、反応時間などに影響した可能性がある」と指摘。運転手の所属会社は前日朝の点呼時にアルコール検査を行っていたが、日付をまたいだ作業前には実施していなかった。

 現場が船内のため、運転手は道交法違反(酒気帯び運転)罪に問われず、港湾運送事業法にも停泊中の船内作業時の飲酒を取り締まる項目はない。報告書は再発防止策として、運転手が作業員の位置を常に確認できる状態で車両を動かすことや、事業者の作業前のアルコール検査の徹底を提言した。 (鶴加寿子)

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