韓国の若者も熱視線、K演歌「トロット」 歌番組がきっかけで人気再燃 (2ページ目)

恨の感情、コロナ下で共感 浦項文化財団・車載根代表理事

 トロット人気が再燃したのはなぜか、背景にはどんな事情があるのか。韓国文化に詳しい浦項文化財団の車載根(チャジェグン)代表理事に聞いた。

 -50、60代がブームをけん引している。

 「トロットは韓国人が近現代の歴史の中で経験した痛みや喜怒哀楽をテーマにした歌だ。自分の意思とは関係なく、そう生きるしなかった人々が『もしこうだったら』と思い描く憧れにも似た“恨(ハン)”という感情を歌ったものも多い。50、60代は韓国が農耕社会から急激に近代化した時代を生きてきた。同世代の恨を歌ったトロットに共感したのだろう」

 -若い世代にも受け入れられている。

 「新型コロナウイルス禍による景気低迷と雇用悪化を政治が解決できていない。その不満を歌ってくれていると感じるのではないか。韓国は激しい競争社会だが、若者は(前提となる)公平さが実現されていないと思っている。『明日はミスタートロット』は視聴者投票も順位に大きく影響した。実社会より公平だと感じた部分もある」

 -以前のトロットからどう変わったか。

 「過去のトロットは聞くもの。現在はK-POPの影響を受け、ダンスなど多彩なジャンルを取り込んだ見る音楽に進化した。民主化を通じて韓国には、権威と変化を恐れない社会の空気が醸成された。トロットも過去に縛られずに革新を進めたことがブームにつながったのだと思う」

 (聞き手は金田達依)

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