一服の清涼剤

 山登りにはまっている。愛好者程度なので福岡市近郊の低山が中心だが、1月には宝満山から三郡山、若杉山まで約20キロのいわゆる三郡縦走も経験した。2、3日は筋肉痛に悩まされたが、相当な充実感を味わえた。

 今は、東西約50キロの脊振山地の縦走路を分散踏破しようと休みの日に通っている。三瀬峠東側の金山から西側の井原山、雷山、長野峠を越えて電波塔がある羽金山まで歩いたところ。まだまだ一部だ。稜線(りょうせん)は昔の国境であり、現在は福岡、佐賀の県境。玄界灘と有明海の分水嶺(れい)でもある。切り立った尾根を歩けば「滴る雨もここを境に流れが分かれる」と感慨深くもなる。

 多くの人が山に魅せられる。なぜなのか。何時間かけても頂上にいるのは10分か20分程度。たどり着いた頂から見る景色の爽快感か、小さくとも確実に味わえる達成感か。世知辛い世の中にあって、一服の清涼剤のような感覚もある。

 (中山憲康)

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