湧水育ち ふるさとの味 熊本・相良村のアユの甘露煮

西日本新聞 夕刊

 熊本県相良村を南北に貫く川辺川。生駒浩一さん(58)、泰成さん(56)兄弟が営む生駒水産は、そのほとりにある。

 先代がこの地を選んだのはそばに浜宮湧水があるから。平成の名水百選にも選ばれた、川辺川の伏流水がこんこんと湧き出るこの水で、香り良く身の締まった美しいアユを育てる。生き物相手の仕事は24時間365日休みなし。湧水と苦労のかいがあって、ここのアユは天然物にも引けを取らないと人気だ。

 特にリピーターが多いのが母アキ子さん(82)が作る甘露煮。「炭のオキで長う炊くけん、骨まで軟らかくなっとですよ」。しょうゆ、砂糖、みりんを加えコトコト10時間炊き上げる。味がよく染み、ふっくらおいしい。

 7月の豪雨で13ある同社の養魚池のうち10が被災し、約20万匹を失った。廃業も頭をよぎったが、堆積した泥を取り除いて再び湧水を満たし、難を逃れた8万匹を育て出荷再開にこぎ着けた。「川のそばに住んどれば水に漬かるとはしょんなか。その代わり、川と水の恩恵ば多く受けとるわけですから」と泰成さん。

 山紫水明の地、人吉球磨で育まれた川辺川の恵み。日々の食卓や晴れの日の食卓で、ぜひ味わってほしい。

 (フリー記者・寺嶋悠)

 ▼アユの甘露煮 3匹入り860円、5匹入り1300円(税込み)。読者限定で5匹入り2パックが九州内送料込み3250円。冷凍アユ1キロ(13匹程度)は2500円(別途九州内送料850円)。ネット販売も。生駒水産=0966(22)4737。

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