コロナ、安倍氏、吉川氏…「まるで三重苦」 菅氏を待つ「いばらの道」

 安倍晋三前首相が「桜を見る会」に絡み東京地検特捜部から事情聴取を受けたことが表面化した22日、政界に動揺が走った。この日は、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表からの現金受領疑惑の渦中にいる自民党の吉川貴盛元農相も議員辞職する事態に。二つの「政治とカネ」問題が、新型コロナウイルス対応を背景にした政権支持率下落にあえぐ菅義偉首相に追い打ちを掛けた。

 「全くないとは申しませんが、十分に心得て対応していくことが大事だ」

 自民党の二階俊博幹事長は午前の記者会見で、安倍、吉川両氏の問題が菅政権に与える影響を問われ、慎重に言葉を選んだ。加藤勝信官房長官も、会見で「捜査機関の活動に関する答えは差し控える」を連発。防御一辺倒の雰囲気を、自民関係者は「何を言っても火種になる。静かに幕を下ろしたいから」と解説した。

 政府、与党は、特捜部の捜査終結後に安倍氏を国会招致することで「桜を見る会」に幕を引く腹づもりだ。「(捜査終結で)一つの答えが出ることは良いこと。やっと片づく」と政府高官は余裕を見せる。

 とはいえ、首相も官房長官時代、虚偽の疑いがある安倍氏の説明をそのまま裏書きする答弁を繰り返してきた。21日のテレビ番組でも「自分の国会答弁は重い責任を持つ」と話しており、年明けの通常国会で野党の集中砲火の的となるのは避けられない。

 一方、体調不良を理由にこの日、議員辞職願を提出し許可された吉川氏は、首相と初当選同期。9月の総裁選でも、菅陣営の選対幹部を務めた親密な間柄だ。立憲民主党は攻めどころとみて吉川氏の証人喚問も要求し、現金受領疑惑の掘り下げに手ぐすね引く。

 「何も良いことがない。コロナ禍に加え、安倍、吉川。まるで三重苦だ」と自民関係者。首相に近い閣僚経験者も「しばらくは、いばらの道」と息を吐いた。

 (一ノ宮史成、前田倫之)

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