「令和」ブームはどこへ…観光に大打撃の太宰府市

回顧2020 都市圏(2)

 新元号「令和」ゆかりの地としてにぎわった昨年と打って変わり、福岡県太宰府市は新型コロナウイルスの世界的な流行で観光業が大打撃を受けた。太宰府天満宮の初詣も分散参拝が求められており、コロナが収束しない限り、全国の観光地と同様に来年も厳しい状況が予想される。

 「キャッチボールができるよ。こんな光景は見たことがない」。春の大型連休中の真っただ中、参道沿いに店を構える店主が人けのない参道の光景を嘆いた。

 この日、西鉄太宰府駅から天満宮に延びる参道が遠くまで見通せた。令和ブームのときは名物「梅ケ枝餅」を求める長蛇の列や、アイスクリームを頬張る外国人客らをかき分けながら歩くのが疎ましいほどだったのに…。

 天満宮本殿前も前代未聞の光景が広がっていた。澄み切った青空の下、国の重要文化財だけがすくっと建っている。参拝客ゼロの光景は資料写真の被写体としては貴重だが、その事態の深刻さに立ち尽くした。

 訪日外国人客が途絶えた4、5月の観光客はいずれも前年同月比96%減で、2カ月で108万人落ち込んだ。驚きの数字だ。楠田大蔵市長は「令和ブームに沸いた昨年と比べると全国随一の減少幅」と強調した。

 夏場はシャッターを下ろしたままの店舗も少なくなく、市は8月下旬、観光誘客を促すプレミアム商品券事業や四王寺山や坂本八幡宮を巡る「コロナ滅観光ルート」を打ち出した。

 9月は67%減、10月は57%減、11月は50%減-。人気漫画「鬼滅の刃(やいば)」の“聖地”とされる宝満宮竈門神社を訪れる家族連れらファンが目立ったものの回復にはほど遠い。

 「書き入れ時」の年初を迎えるが、コロナの「第3波」到来で参道関係者の不安は募るばかり。国の観光支援策も一時停止され、「結局、コロナ収束しか解決策はない」と肩を落とす。

 太宰府に活気は戻るのか-。厄よけの神様としても知られる菅原道真公に「一刻も早い収束を」と祈願したくなるのは記者だけではないはずだ。

(筑紫支局・上野洋光)

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