耳を澄ませば「直方」 遠賀川、噴水、鉄道…「まちの音」採集しCDに

 JR九州バスの車内アナウンスとエンジン音、平成筑豊鉄道のレール音…、日常の直方(福岡県)の音を盛り込んだ音楽CDを、福岡市在住の音楽家、西村周平さん(43)が制作した。曲名はフランス語で「川」を意味する「Rivi〓re(リヴィエール)」。遠賀川をイメージしたジャケットに収め、曲のベース音として遠賀川の水音が流れる。

 曲は16分57秒。「まちの音を閉じ込め、僕らしく作りたい」と、西村さんは8月半ばの猛暑の日に直方を一日中歩き回って音を採集。自身が弾くギターを中心とした演奏を組み合わせ、インストルメンタルの心地よい曲を作り上げた。

 「まちの音」はさまざま。バスや鉄道、遠賀川の音の他に、風のそよぎ、セミの鳴き声、公園の噴水、商店街のざわめき、音響信号の誘導音、飲食店でグラスの氷をかき混ぜる音…。直方の歴史を調べて訪れ、それぞれの場所に染みついているであろう「まちの記憶」に思いをはせる一日だったという。

 直方市古町商店街のイベントスペース&バー「Bouton(ボタン)」が今秋、店舗の一部を改造し、近くの殿町バス停の待合所として利用できる「殿町machiai」を設けた。その際、工事資金をクラウドファンディング(CF)で募り、リターン(寄付のお返し)品の一つとして、西村さんがCD制作の依頼を受けた。

 新型コロナウイルスの影響で「machiai」のオープンが春から秋に延びた。西村さんは「誰かと誰かが出会い、心休まる場所になってほしい。CDはそこへ届けるお祝いの『音の花束』。コロナ禍で疲れている人は多い。落ち着いて、深呼吸をするような気持ちで聴いてもらえれば」と呼び掛ける。

 福岡市内での音楽ライブで出会い、「活動の支援も込めて制作を依頼した」という「Bouton」の永久真弓さん(40)は「遠賀川の音をこれまで意識して耳を澄ましたことはなかった。予想以上に直方の音が入って、感激した」と話す。同店で1枚千円(税込み)で購入できる。 (安部裕視)

※〓はグレーブアクセント付きE小文字

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