復興1番手、希望の一杯 人吉・仮設商店街で豪雨被災のラーメン店開店

西日本新聞 社会面 中村 太郎

 7月の豪雨で被災した熊本県人吉市が整備を進める仮設商店街で26日、ラーメン店「大勝軒」が先頭を切って開店した。繁華街の店が浸水した店主の原田政勝さん(78)は「人吉の街に少しでも早く明かりをともしたい」と、JR人吉駅前のプレハブ店舗から再起を図る。

 午前11時、新調したのれんが掲げられると、待ちわびた客が次々と訪れた。常連の川口孝太郎さん(70)はしょうゆラーメンをすすり「久々の一杯でひときわおいしい」と笑顔。原田さんも「半年ぶりでまだ感覚が戻らないけれど、まずは再開できてうれしい」とほっとした表情を浮かべた。

 勤めていた長野県の会社を辞め、28年前に故郷で開店。深夜2時まで年中無休で営業し、1人で切り盛りしてきた日々は、あの日で一変した。

 7月4日、同市紺屋町の店舗兼住宅1階に寝ていた原田さんは、布団が水に漬かって目が覚めた。2階天井の通気口から屋上に避難。水が引いて店に入ると、調理器具や丼は泥の中に散乱し、使い物にならなくなっていた。

 ただ、高台の次男宅に置いていた製麺機だけは無事だった。大家が「店は建て直す」と言ってくれたこともあり、仮設商店街での再出発を決意した。

 「お客さんにまた喜んでもらえるのが何より。元の場所に戻るまで、駅前から元気を届けたい」。仮設でも無休で営業するつもりだ。

   ×     ×

 仮設商店街は人吉駅前と市街地の2カ所に整備され、計25店舗が入居予定。他の店舗は年明けから順次開店する。 (中村太郎)

熊本県の天気予報

PR

熊本 アクセスランキング

PR

注目のテーマ