コロナ禍の大学入試、感染増にやきもき 九大は選抜方法変更も

西日本新聞 一面 四宮 淳平 金沢 皓介 斉藤 幸奈

 九州の各大学が新型コロナウイルスの感染動向に気をもんでいる。本格的な入試シーズンに入る年明けのまん延を想定し、選抜方法の見直しや一層の感染対策を検討するほか、多くの受験生が欠席する事態にも備える。専門家は受験生に体調管理を呼び掛けつつ、入試での感染リスクは低いとして「優先して実施されるべきだ」と指摘する。

 感染の「第1波」が広がった今春、全国では入試を取りやめ、大学入試センター試験の得点だけで合否を判定した大学もあった。2021年度入試はより大きな影響が予想される。大分大は「大学入学共通テスト(センター試験の後継)の得点を重視した選抜方法が想定される」とし、宮崎大も「同様の事態を考えざるを得ないかもしれない」と警戒する。

 西南学院大(福岡市)はもともと共通テストの得点だけで合否判定する選抜がある。コロナ感染に限らず発熱などで入試を受けられない人を想定し「万一に備え、共通テストを受けてほしい」と呼び掛けた。

 九州大や佐賀大、熊本大も感染状況次第で、選抜方法を変える場合があると受験生に告知済み。変更する際は大学のウェブサイトで発表するという。入試を実施できたとしても、欠席する受験生が増える懸念も大きい。福岡大は「求める学生を一定数確保できるかどうか」と学生減少に伴う大学経営への影響を危ぶむ。国立大は来年3月22日以降に感染による欠席者対象の追試を予定しているが、九州大は「志願者の数が全く読めない。予想以上に多いと大変」と準備に追われる。

 感染者の濃厚接触者はPCR検査で陰性であることなどを条件に、別室受験を認めるケースが目立つ。発熱している人にも同様に対応する大学は多いが、立命館アジア太平洋大(大分県別府市)は37・5度以上の発熱があると受験は認めない。

 独自の手法で受験生の体調をチェックするのは長崎大。試験日の2週間前から1日2回の検温に加え、せきや喉の痛みの有無を書き込む「健康状態確認シート」の提出を求めている。

 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「マスクを着け、席の間隔を空ければ、ほぼ話すことのない受験中に感染するリスクは低い。大勢で会食するのとは違う」とする。入試は進路選択の重要な機会であることも踏まえ「極力通常通り行われるべきであり、県境をまたいだ移動があっても周りは温かく見守ってほしい」と呼び掛ける。 (四宮淳平、金沢皓介、斉藤幸奈)

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