中村医師残した言葉出版 「先生の思い一冊に」アフガン巡る寄稿編集

 アフガニスタンで用水路を建設し、昨年12月4日に凶弾に倒れた故中村哲医師の著書「希望の一滴 中村哲、アフガン最期の言葉」が出版された。亡くなる2日前まで10年にわたり西日本新聞に掲載された寄稿などを編み直し、中村さんの撮影を中心とした80枚以上の写真をカラーで掲載。戦乱の地で続けた事業の実録と、活動を支えた信念や現代への警鐘がつづられている。

 2009年から随時、本紙に寄せた連載「アフガンの地で」をテーマや時系列を踏まえて再編集し、中村さんを支援してきた福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の18~19年の会報に載せた随筆「水のよもやま話」などを加えた内容。いずれも活動の傍らに現地で執筆された。

 描かれているのは、戦闘が間近で起こる中での工事や、頻発する洪水との苦闘、緑に変わった砂漠での田植えなど、生々しい現地での活動の様子。自然への敬意や飽食の現代に抱く懸念などの評論も随所に織り込まれ、共に働いた現地のNGO「PMS」(平和医療団)の仲間や通水を喜ぶ村人たちを捉えた写真が臨場感を持って迫る。事業の全体像がうかがえるよう、中村さんの生涯を振り返る章も設けた。

 長期に及んだ寄稿で写真選びなどを手伝った同会PMS支援室の藤田千代子室長は「希望を一つ一つ積み重ねてきた先生の思いが込められた一冊」と話している。192ページ、税込み1650円。西日本新聞社刊。 (中原興平)

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