外出も行事も自粛…高齢者の地域交流、「在り方」の見直しは続く

回顧2020 都市圏(6)

 福岡市東区舞松原2~4丁目にまたがる「香椎ケ丘自治会」から今月、自治会創設50周年記念誌が届いた。その歴史を読むと、東京五輪前年の1963(昭和38)年に丘陵地を切り開いた分譲団地としてスタート。国が新住宅市街地開発法を施行し、ニュータウン開発が本格化した年だ。東区でも郊外の宅地化が急速に進んでいった。

 初期の自治会活動は道路や水道、交通機関整備への陳情など生活環境改善が中心。その後、住民同士のふれ合い行事を徐々に充実させ、現在は約270人が加わるシニア会活動が盛んだという。記念誌にはフォークダンスやバスハイクなど生き生きと活動する高齢者たちの写真が並ぶ。だが新型コロナウイルスは自治会活動、特に感染すると重症化のおそれがある高齢者の足を軒並み止めた。「高齢者の方たちが毎月楽しみにしているサロンも中止になり、引きこもってしまわれるのではと心配」と納富哲雄会長(74)は話す。

 各地の自治会は同様の悩みを抱えた。緊急事態宣言による自粛期間には自宅を訪ねることもできず、高齢者の様子が分からない。「話し相手が欲しくてつい長電話してしまい、家族にしかられたのよ」という高齢者の話も取材先で聞いた。秋からは感染対策を徹底した上で健康教室やサークル活動なども少しずつ動き始めたが、コロナの「第3波」警戒で餅つきなど集まりを中止した自治会も多い。

 感染症に対応できるように、季節の恒例行事の形を変える工夫もみられた。香椎ケ丘はお盆に集会所の中で実施していた精霊送りを、集会所玄関に祭壇を設けることで来場者の密集を避けた。青葉校区は足踏み式の餅つき道具「だいがら」を再現し、参加人数を絞った餅つきの在り方を試行してみた。

 外出しなくてもコミュニケーションが取れるように、香椎宮の台は半年前にシニア便りを創刊し、会員が近況を盛んに投稿し合っている。住み慣れた地でよりよく暮らし続けるため、コロナ禍での工夫が続けられている。

 (福岡東支局・今井知可子)

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