7月豪雨「小低気圧」が影響 大量の水蒸気流入、最大規模の線状降水帯

西日本新聞 一面 鶴 加寿子

 気象庁気象研究所は、7月豪雨で九州に甚大な水害をもたらした線状降水帯の発達に、天気図にも表さない「小低気圧」が影響していたとする研究結果をまとめた。梅雨前線に沿って西から九州に接近した小低気圧が大気下層の風を強め、東シナ海から運ばれた大量の水蒸気を集めたとみられる。線状降水帯の一つは長さ280キロになり、九州で2009年以降に発生したものとしては最大規模だった。

 気象研は積乱雲が連なって豪雨をもたらす線状降水帯が7月3~8日に九州で九つ発生していたことを確認。このうち八つで、梅雨前線沿いに典型的な温帯低気圧よりも小さい「小低気圧」が発達していた。

 熊本県・球磨川流域に記録的大雨をもたらした線状降水帯では、高度500メートル付近で17年九州豪雨の2倍に当たる量の水蒸気の流入を観測。さらに高度約1万メートルの上空に寒気が流れ込んでいたことで大気の状態が非常に不安定になり、近年の豪雨で最も高い全長17・8キロの積乱雲が発生した。この線状降水帯は延長280キロに及び、13時間停滞するなど、09年以降に発生したものでは九州で最大規模、停滞時間も最長だったという。

 局所的に大雨をもたらす線状降水帯の発生メカニズムは十分に解明されていない。気象研の荒木健太郎研究官は「小低気圧が重要な発生要因の一つに考えられることが分かった。さらに分析を続け、線状降水帯の発生予測につなげたい」としている。

 (鶴加寿子)

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