【1位】新劇場オープン 「待ってるよ」と言えることがうれしい〈HKT48十大ニュース2020〉

 HKT48の2020年十大ニュース1位には、約4年半ぶりにファンやメンバーのもとに帰ってきた常設劇場、「西日本シティ銀行 HKT48劇場」のグランドオープンを選びたい。

 こけら落とし公演は11月2日。当時活動中だったメンバー全員が出演し、これまでにリリースしたシングルの表題曲を全て披露した。みんなが待ちわびていた日。1期生・下野由貴(22)が序盤で流した涙が印象的だった。

 当日は、取材でバタバタと走り回る中、顔見知りのスタッフたちと久々に再会することができた。「AKS」から「Mercury」へ籍を移した人だけでなく、音響や照明、警備など、さまざまな分野の人たちだ。2011年の劇場公演開始時から携わる人もいる。多くの支えで公演が成り立つことをあらためて感じた。

 2018年の周年公演で発表された新劇場構想。当初は夏頃までのオープンを目指していたが、新型コロナウイルス禍によってスケジュールは大幅に遅れた。1期生が西武ドームでお披露目された「10月23日」案も浮上したが間に合わなかった。

 劇場公演そのものができない中で、準備作業は難しかった。メンバー間の距離を保てるような公演内容の練り直し、観客に配布するフェイスシールドの確保、空調整備…。宿題はたくさんあった。7月の命名権(ネーミングライツ)契約締結の発表に合わせ、施設がメディアに公開されたが、その時点ではまだまだ時間がかかるなと感じた。だからこそ、11月2日がうれしかった。

 劇場には、新しい息吹が吹き込まれ続けている。

 開館後、チームをくじ引きで7色に分けた「博多なないろ」公演が始まった。入場者数も制限され、コールもできない上にフェイスシールドを外すこともできない。それでも、旧劇場を知る下野は「『待ってるよ』と言えることがうれしい」と語る。そこがホーム=家であることの意味は、常設劇場を知らなかった4期生以降の後輩たちも日に日に感じていくことだろう。

 久々の専用劇場で迎えた11月26日の「誕生日」=9周年公演は、コロナ禍でたまりにたまったうっぷんのせいか、いつも以上に笑顔のはじける内容になった。

 こけら落とし公演でも9周年公演でも、運営スタッフは最後の最後まで、メンバー全員が一度にステージに上がる瞬間をつくりたいと腐心していた。時間としては長くはなかったが、全員が共有できる空間を守り抜いた努力に感謝したい。

 「シングルが1枚しか出せていないし、歌番組にも出られていない。さっしーが卒業して、みんなで頑張っていこうと思っていた直後だったので、自分たちの実力不足というか…。仕方ない状況でもあるけど、もっともっとできることがあったんじゃないかなって思う」

 9周年で、1年をこう振り返ったチームHキャプテンの松岡菜摘(24)。だが、濃霧の中にいるような状況下にあって、メンバーもスタッフも可能な限りの努力はできたのではないだろうか。

 劇場に通い、写真を撮り、記事を書く。特命担当記者にできるのはHKTの魅力を発信し続けることだけだ。12月23~25日の3日間にわたって開催されたクリスマス公演では、ステージのメンバーがサンタやトナカイと言ったかわいらしい衣装をまとい、ロビーもクリスマスツリーなどで華やかに装飾された。メンバーとスタッフがつくり上げる「劇場」に一人でも多くの人を招きたい。

 10周年を迎える2021年も、ホームで刻まれるたくさんの思い出を、この目で見て伝えていこう。旧専用劇場のやぐらの上、西鉄ホールとガスホールの後方座席、スカラエスパシオのPA卓の隙間-。これまでに腰を落ち着けてきた場所を思い出しながら、そんなことを思った。 (古川泰裕)

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