福岡・新天町商店街 建物を高層化、パルコと一体開発も

 創業から75年を迎える福岡市・天神の新天町商店街が、都心部の建て替え促進事業「天神ビッグバン」を活用し、再開発に乗り出す。建物を高層化した上で低層階に商店街の店舗が入る構想を軸に関係者らで協議を進めており、隣接する商業施設「福岡パルコ」との一体開発も検討。2022年度中の基本計画策定を目標としており、天神ビッグバンの最後の大型案件になるとみられる。実現すれば、戦後の焼け野原で産声を上げた商都・福岡の老舗商店街が大きく姿を変えることになりそうだ。

 複数の関係者によると、商店街は5年前から再開発の勉強会を毎月開催。慎重に検討を進め、基本構想を取りまとめた。既に再開発案の公募で工事業者も選定。今後、業者と連携しながら地権者や市が街づくりの基本方針を取りまとめる。

 構想では、現在の商店街を形成する3~5階建ての建物を高層化。建て替え後も営業の継続を希望する店舗には1、2階など低層階に入ってもらう。西鉄福岡(天神)駅など周辺ビルと空中回廊で結んだり、商店街内を通る市道を屋外型のにぎわい空間にしたりする案も浮上している。

 市が進める天神ビッグバンでは、「天神明治通り地区」の建物の高さ上限が新天町を含む渡辺通りを挟んで西側は現在の約76メートルから約115メートルまで緩和される。仮に上限まで高層化した場合、地上26階建て相当の建物の建築が可能になる。

 新天町の再開発を巡っては、1992年に新天町商店街商業協同組合が商店街に代わる複合商業施設を建設する構想を発表するなどこれまでに数回、案が浮上。しかし、資金面や地権者の調整などで難航し、いずれも実現していない。

 一方、今回の構想には地場の銀行や西日本鉄道も参画。さらに、天神ビッグバンの優遇措置期限が昨年、2024年末から26年末まで延長されたことを受け、商店街には「再開発のまたとないチャンス」(関係者)との受け止めが広がっているという。同組合の楢崎慶司理事長は、西日本新聞の取材に対し「まだ何も決まっていない」と話した。 (塩入雄一郎)

【新天町商店街】

 闇市が横行した終戦間もないころの天神町(当時)を正常化しようと、西日本新聞社が博多商人に呼び掛け、1946年10月に開業した。50年には西日本初のアーケードが完成。55年には全国の商店街で初となる各店共通の商品券を発売するなど先進的な取り組みも行ってきた。東西約140メートル、南北約60メートルの範囲に約100店舗が連なる。壁面にはからくり時計が設置されており、人気スポットとなっている。

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