宇宙関連機器の技術開発支援 福岡県が補助金創設へ

西日本新聞 総合面 御厨 尚陽

 福岡県は2021年度、人工衛星やロケットなどの宇宙関連機器の技術開発を支援する助成制度を創設する。県内の中小企業を対象に同年度当初予算案に数千万円盛り込む方針。あらゆる分野で衛星データの利用が広がる中、世界で民間主導の人工衛星や宇宙船の打ち上げが活発化。半導体やロボット産業の集積で培った技術力を生かし、新たな成長戦略として「宇宙ビジネス」の集積を目指す。宇宙関連の技術開発に特化した県レベルの補助事業は全国的にも珍しく、九州では初めてという。

 IT技術の進展で衛星データの利用が運輸や農業、建設、環境など幅広い分野で進んでいる。これに伴い世界各国で小型衛星の打ち上げが拡大。経済産業省によると、21年は5年前の約4倍の約400基、24年は約600基の打ち上げが予測されている。県内でも、19年に衛星開発ベンチャー、QPS研究所(福岡市)と地場企業約20社が開発した小型衛星の打ち上げに成功。25年までに36基の打ち上げを計画している。

 県内では既に人工衛星の部品を開発している町工場があるほか、自動車産業などの集積によって高い技術力を持つ中小企業も多い。県は、宇宙産業でもものづくりの強みが生かせると判断。中小企業を対象に、約500万~1千万円かかるとされる研究開発費の一部を補助する専用の助成制度を新設し予算を数千万円確保する方向で検討している。

 また、県は20年に国から「宇宙ビジネス創出推進自治体」に選定され、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の支援が受けられる態勢になっている。21年度は、衛星データを活用するビジネス創出に向け、起業家がアイデアを生み出すイベントを新たに企画。JAXAに指導助言役を依頼し、優秀なアイデアがあれば事業化できるように支援する。

 政府は、30年代前半に宇宙産業の国内市場規模を2兆4千億円に倍増させる目標を掲げる。県は「宇宙ビジネス」支援の姿勢を打ち出すことで、新規参入や投資を県内に呼び込みたい狙いだ。 (御厨尚陽)

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