球磨川脱炭素先進地に 流域復興、熊本県10年構想 地の利生かす

西日本新聞 社会面 古川 努

 熊本県は2021年度、昨年夏の熊本豪雨で被災した球磨川流域で、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(再エネ)の地産地消を10年計画で進める「緑の脱炭素モデル構想」(仮称)を始動する。新年度の予算編成に向け、民間の再エネ事業者の参入促進に向けた調査費計上を検討。気候変動がもたらした豪雨の被災地が、脱炭素の先進地を目指す。

 県が流域の治水や復旧・復興の理念として掲げる「くまもと版グリーン・ニューディール」の一環。20年度中に風速や日射量などをまとめた「再エネ資源マップ」を作成。初年度の予算規模は数百万円程度で、事業参入しやすい環境づくりを進める。

 実現までの期間は、流域の復旧・復興の進み具合に合わせて5~10年程度。再建する住宅や公民館に太陽光パネルなどの再エネ設備と蓄電池を導入し、「ゼロエネルギーハウス(ZEH)」や無停電集会施設の整備を推進。災害に強い集落への再生と流域全体の二酸化炭素(CO2)の実質排出量ゼロの両立を図る。

 県エネルギー政策課と環境保全課によると、球磨川流域は県内でも特に風力発電に適した風が吹く地域。昨年12月現在、流域では風力発電の4事業(計88基、最大出力34万3200キロワット)が環境アセスメントの手続き中で、着工には最短でも約3年かかるという。

 太陽光や風力のほかに、球磨川支流での小水力発電施設の整備や、豊富な森林資源を生かしたバイオマス発電施設の誘致も推進。発電した電力は地産地消する以外に地域外にも売電し、「稼ぐ再エネ事業」で雇用創出も狙う。 (古川努)

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