新年も愛ある紙面を

西日本新聞 社会面 井上 真由美

 取材は恋愛に似ている。27年の記者経験に基づく持論だ。相手を深く知りたいと思い、駆け引きをする。共感や敬意を深め、関係を強めていく。その関係を維持すべく努力を重ねる。たとえ批判する場合も、相手への愛を忘れてはならない。

 そういう意味での「大恋愛」に嫉妬した。アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師の取材を続けた記者は、確かな関係を築いていた。突然の死から1年の節目に、紙面でも、各地であった追悼行事でも、中村医師の功績と人柄を休日返上で伝えた。かの人を語り継ぐことがせめてもの恩返しという語り口と表情に愛がにじんで、胸を打たれた。

 中村医師だけに限らない。日々目を通す原稿から、いろんな「恋愛」が伝わってくる。平和、医療、事件、行政などテーマは違えど、地域とそこに生きる人々への愛は貫かれている。そんな愛があふれる新聞を、新年も届けていきます。 (井上真由美)

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