地元の夢を応援したい

西日本新聞 社会面 立山 和久

 炭鉱電車が長い歴史に幕を閉じた。昨年5月のことだ。炭鉱があった時代に福岡県大牟田市と熊本県荒尾市で石炭や客車をけん引し、閉山後は三井化学専用鉄道を走った。横から見ると凸形の愛嬌(あいきょう)のある赤い車両を保存する動きがいま、広がっている。

 活動の中心は両市民らでつくる「炭鉱電車保存会」で、「動く(動態)保存」にこだわる。「埋もれた地域の宝に光を当てたい」と駅舎跡に茂る草木伐採に汗を流す。同10月にはNPO法人になり、写真展を開催。両市長に動態保存を求める要望書を提出するため署名活動も始めた。

 夢は大きく、世界遺産の宮原坑(大牟田市)と万田坑(荒尾市)間を走らせること。維持管理費などを考えると実現は難しいが、「夢は語らないと始まらない」と明るい。採算性や効率化が幅を利かすご時世だが、地道に夢を追う姿を見るにつけ、いつか正夢になればと願わずにはいられない。 (立山和久)

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