西鉄が国際物流拠点 コロナ後、福岡空港周辺に新設へ
西日本鉄道(福岡市)が、福岡空港周辺に大型の国際物流倉庫新設を検討していることが分かった。福岡空港は新型コロナウイルス収束後を見据え、国際線の拡充を計画。アジアに近い地の利を生かし、九州から農産品や半導体、自動車部品などの輸送拡大を図る余地が大きいと判断した。
福岡空港にアクセスしやすい立地で、冷蔵冷凍機能を備えた1万平方メートル規模の国際物流倉庫を想定。数年内の完成を目指す。これまで九州に自前の大型物流施設はなかった。コロナ禍を踏まえ見直し中の2022年度までの中期経営計画にも盛り込む方針。
19年に民営化された福岡空港は、東南アジアや中国各都市を結ぶ便を拡大させる計画がある。西鉄は24時間発着可能な北九州空港の利用も視野に入れる。
倉富純男社長は「世界人口は大幅な増加が予想されており、国際物流は成長産業」とした上で「西鉄グループのネットワークと、アジアに近い強みを生かすことで九州を成長させる一翼を担える」と意欲を示す。
西鉄は、コロナ禍で鉄道・バスなどの事業が打撃を受ける一方、連結売上高の約4分の1を占める国際物流事業は堅調に推移している。同事業は東京を本部に海外28カ国・地域に拠点を置く。国内の国際物流施設は成田空港や関西空港近くなど5カ所。荷主と航空・海運会社を仲介し、輸送手配から集荷、通関手続きなどを一括して請け負う「フォワーダー」部門で国内大手5社の一角を占める。 (古川剛光、布谷真基)