冷たい態度で、ごめん

西日本新聞 社会面 塚崎 謙太郎

 ずいぶん長い間、冷たい態度でごめん。ピカピカに光って近寄り難い君は紛れもない本物だったのに、どうせ偽物だろうと、通り過ぎていた。

 教科書でおなじみの国宝「金印」。福岡市博物館が展示している品はレプリカ(複製)と思い込んでいた。館によると1990年の開館以来、本物を展示し、外に貸し出すのは5年に1度で2週間ほど。なのに、誤解している人は多いらしい。2千年前の品と思えないほどピカピカなこと、東京や九州の国立博物館の複製を本物と思う人が多いこと。理由はいくつかあるようだ。ついでに告白すれば、金印のつまみ部分は蛇をかたどっているが、私はウサギが座った姿だと長く信じていた。

 市博物館の長期休館に伴い、金印は3月まで大濠公園の市美術館で展示されている。蛇でもウサギでもない丑(うし)年。私のような誤解を謝りたい人もそうでない人も、初春の予定に、縁起が良さそうな金印詣でを。 (塚崎謙太郎)

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