傷ついた熊本城忘れない 被災直後の模型を制作する福岡の男性

西日本新聞 社会面 長田 健吾

 2016年4月の熊本地震で被災した直後の熊本城天守閣の姿をとどめようと、模型作家島充さん(38)=福岡県柳川市=が模型作りを進めている。写真や映像を参考に大きく崩れた石垣や割れた瓦など本震翌朝の姿を忠実に再現。完成後は震災の記憶を伝える作品として、今春公開予定の大天守内に展示される。

 島さんは小学生の頃、松本城のプラモデルを手にしたことを機に模型作りに目覚めた。15年から作家活動を始め、近年は絵図や古写真を基に自ら考証した城郭模型に取り組む。被災した熊本城では「奇跡の一本石垣」で知られる飯田丸五階櫓(やぐら)を制作。地震前の熊本城のジオラマを手掛けたこともあり、その縁で熊本市の担当者から依頼を受けた。

 制作中の模型は、実物の150分の1サイズで南北60センチ、東西50センチ。実際の設計図を基に金属やプラスチック、建築用断熱材を使って被災前の天守閣をいったん築き上げた後、瓦やガラス、石垣などを崩し、被災直後の姿を再現していく。天守閣内部の柱や梁(はり)など、外から見えない部分も可能な限り近づけるという。

 約1年がかりで、完成は今月末の予定。復旧を終えて4月26日から一般公開される大天守4階に、震災を振り返る展示品などとともに並ぶ。島さんは「忘れてはいけない記憶もある。あの時熊本にいた人もそうでない人も、熊本地震に向き合うきっかけになるような模型にしたい」と話している。

(長田健吾)

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