田舎にいても大丈夫

西日本新聞 社会面 石黒 雅史

 小説家、町田そのこさん(40)の全著書を読破した。この4年余りで5冊、東京の有名出版社が相次ぎ商品化する実力の持ち主だ。福岡県京都郡にいながらプロ作家活動をする希少な人でもある。

 好んで田舎に住み続けたのではないらしい。都会に憧れ、田舎を出たくて、一方でコンプレックスを抱え、尻込みした。「いい大学を出て都会に住まないと作家様にはなれない」と思っていた。でも諦めきれず、夜泣きする子どもを抱きながらケータイ小説を投稿し続けた。

 2016年に文学賞の大賞を射止めた後も、迷いつつ、故郷に残った。子育てなど理由はいくつもあるが「結局は田舎が好きなのかな」。おかげで地元の魅力に気付けた。

 在京企業がオフィスを地方に移す時代。距離のハンディは減った。かつての自分のように、夢と現実の間で悩む田舎の子たちには、こう伝えたいという。どこにいても「大丈夫だよ」と。 (石黒雅史)

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