大玉で糖度高い新品種「佐賀果試35号」収穫始まる
佐賀県が約20年かけて開発したかんきつ類の新品種「佐賀果試35号」が、初めての収穫期を迎えた。大玉で糖度が高く、ぷちぷちとした食感が特徴。2月上旬に35号のブランド名を発表し、3月から福岡や東京、大阪などに出荷する。
35号は、産地間競争に対応するため、県が1996年に開発に着手。「西之香(にしのかおり)」と「太田ポンカン」を交配し、選抜試験を重ねて2017年に品種登録された。直径80~95ミリの大玉で、重さは250~350グラムある。貯蔵性に優れ、収穫後も数カ月は品質や甘みを保つという。
県によると、JAに加盟するかんきつ農家58戸で栽培中。今期は、モデル園として一足先にハウス栽培を始めた10戸で収穫し、春先までに約32トンの出荷を見込む。3年後には露地ものも出荷予定で、28年度には約500トンの出荷を目指す。
JAからつ果樹部会会長の加茂達也さん(53)は7日朝、唐津市浜玉町のハウスで35号を一つずつ丁寧に摘み取った。加茂さんは「糖度は12~13度で酸味とのバランスが良く、独特の食感も楽しめる。多くの人に食べてもらい、佐賀のかんきつ類のエースになってほしい」と期待を込めた。
(津留恒星)