祖母に思う、平穏な日々

西日本新聞 ふくおか都市圏版 大坪 拓也

 「早くまた会いたいですね」。鹿児島県で暮らす94歳の祖母宛ての年賀状に記すと、車椅子で手を振る姿が浮かんだ。最後に顔を見たのは昨夏。高齢者施設の玄関で、3メートル離れて10分ほど面会できた。認知症が進み、会話は難しかったが「拓也か」と呼んでくれた▼その前に接したのは入所して間もない2年前の春で、父や叔父と訪ねた。祖母はまだ冗談にも笑い、贈った白いハンカチを何度もなでた。幼い頃に1年弱、祖母宅に預けられた私の訪問をいつも喜んでくれた▼年末年始。帰省するかどうか多くの人が迷った。「高齢の親に会えるうちに会いたい」「万が一を考えて我慢する」…。どの思いも切実だ。コロナ禍になってもうすぐ1年。平穏な日々が早く戻ってきてほしい。

 (大坪拓也)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ