コロナ「第3波」収束の効果的な方策は? 筑波大・原田隆之教授に聞く
新型コロナウイルス感染症と向き合う人々の行動心理を考察し、積極的に情報発信している筑波大の原田
-4都県では昨年4~5月以来となる宣言が発出された。人々の外出自粛につながるか。
「7日には、東京都で2400人超の新規感染者が確認された。昨春は、1日100人を超えただけで右往左往していたのに、今の増え方はその時とは文字通り桁が違う。数字の見え方によって『怖い』という心理が働き、一定数の人は自粛するだろう。ただ前回の宣言時と比べると、外出を控える人の割合は相当減っているのではないか。特に若い人を中心に」
-なぜ、人々の意識や行動が変わりにくくなっているのか。
「昨春の『第1波』の時には、未知のウイルスに対する恐怖から、人々の感情に訴え掛けることがうまくいった。人間の行動を変容させるには、合理性よりも感情の方がより作用することが分かっている」
「ところがその後、この8カ月ほどは『自分には関係ない』『今まで感染しなかったから大丈夫だ』という空気、認識ができあがってしまい、人々が根拠のない自信を持つようになった。こうした『楽観主義バイアス』が個人の体験によって強化されてしまった結果と言える」