一人一人の思い大事に復興支援「あまみら」代表の近藤真平さん

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

復興への決意~天ケ瀬温泉街(4)

 -被災から半年の天ケ瀬温泉街をどう見ているか。

 「災害発生から2カ月間は、住民は気が張り、旅館も復旧という同じ方向を向いて頑張ることができた。その後、明確にならない玖珠川の改修工事にもやもやし、再興に向けてどう手を付けたらいいか分からない状況が2カ月続いた。天ケ瀬で暮らし続けるのか、休業中の旅館も再建するのか、今は住民が決めるタイミングにあると思う」

 -さまざまな復興支援活動を行っている。

 「私たちが積み上げてきたものはあっても、それはわずか2ミリぐらい。実は、災害復興の難しさを感じている。毎日めまぐるしく動いているにもかかわらず、一歩も進んでいない気がしている。例えば設計図を描いても、裏山の問題で建築許可が出ないといった、全部そんな感じだ」

 「走りながら、住宅と旅館の共栄が見えてきたり、川とともにある温泉街でありたいといった旅館の人の話を聞いたりする。すると、これまでの活動は、まだ下書き以下しかできていないと気付かされる」

 -今後の活動で大切にしたいことは。

 「関わっている全ての人たちの気持ちだ。天ケ瀬にずっと住みたいと思う住民の気持ちや、営業再開や違う事業に進むという決断をした旅館関係者の気持ち、そして僕たち支援メンバーの気持ち。何が復興なのかはおのおの違うと思うが。これからは、一人一人の思いを大事にしていくことが一番重要と思っている」

 「住民が天ケ瀬に住み続けるのは、何かしらの思いがあるから。その意味でみんな同じ方向を向いているし、調整役を果たしたい」

 -思い描く天ケ瀬の向かう姿は。

 「僕が天ケ瀬が好きのは、温泉はもちろん、地元の人たちの雰囲気。都会のビジネスマンが持っていない『ゆるさ』がある。現代人に必要な部分と思っている。約4年前に天ケ瀬に来て、温泉や雰囲気を体感し、住民と話す中で、『癒やし』という価値観を学んだ。そうした雰囲気を押し出していけばいいと思う」

 「災害に遭った温泉街で、復興を遂げたのは国内では城崎温泉(兵庫県)ぐらいしかない。天ケ瀬が復活することで、他地域の被災者にも勇気を与えるかもしれない。普通に暮らす人々の背中を押すかもしれない。天ケ瀬温泉の目指すところだと思う」

 -今後の決意は。

 「天ケ瀬と全く関係ない日田市内外の人たちが、天ケ瀬を真剣に考えてくれていて、めっちゃうれしいし、泣いてしまうほどありがたい。これからいろんな計画ができていくと思うが、進めていくのは地元の人たち。理想の未来を共有しながら進んでいきたい」

 「あまみら」の活動 「あまみら」は天ケ瀬温泉未来創造プロジェクトの略称。昨年7月の記録的豪雨直後に、日田市の元地域おこし協力隊員の近藤真平さんや地元住民などで結成した。温泉街にある旧あまがせ保育園を拠点に、現在は日常的に6、7人が活動。これまで防犯対策のセンサーライトの設置や総菜の移動販売、住民交流の場となるシェアキッチン製作など、復興支援に積極的にかかわっている。

 (聞き手は鬼塚淳乃介)

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