夫の会食にやきもき 感染の不安と相手の事情、折り合いは

西日本新聞 黒田 加那

妊娠とコロナと私(記者)①

 「今度、仕事の飲み会があるから」。昨年11月中旬、夕食中に夫が話しかけてきた。「いいなあ」と応じる。例年は忘年会の予定がスケジュールを埋め始める時期だが、今年は新型コロナウイルス禍に加え、妊娠中の身である記者の予定は真っ白。一方、夫は仕事関係での会食の予定が入っていた。

 そこから事態は急変。コロナの「第3波」が猛威を振るう。夫の会食の予定でなくなったものもあったが、予定通りに開かれるものも。「本当に行くつもり?」。喉まで出かかった言葉は結局飲み込んだ。

 年が明け、首都圏では緊急事態宣言が出され、私たちが暮らす福岡県でも一日の感染者数が300人を超える日が続く。新年会シーズンを直撃した第3波を乗り越えたとしても、やがて年度末の歓送迎会の時期がやってくる。ウイズコロナのご時世、会食への不安は続くだろう。

 同じもやもやを抱える妊婦は私だけではないようだ。西日本新聞「あなたの特命取材班」が12月に実施したコロナ禍に関するアンケートでは、福岡県の女性が「妊娠後期だが、夫が飲み会を控えてくれない。いつ感染するかもしれないと思うと不安が大きい」という声を寄せてくれた。

                 ◆

 日本産婦人科医会の調査によれば、昨年1月~6月に新型コロナウイルスに感染した妊婦72人のうち、約6割は家庭内感染だった。

 感染者全体に対する妊婦の割合は確かに低い。在宅勤務や外出自粛などで自衛する妊婦が多いからだろうか。実際、記者も多いときで週の半分以上はテレワークをしている。

 感染したとして、今のところ国内では妊婦が重症化することは少なく、胎児に感染した例はないという。ただ、海外では妊婦の子宮内感染で胎児が死亡した例の報告も。家庭内の予防には限界があり、なるべく外での感染リスクを減らしてほしいのが正直な思いだ。

 もともと仕事にまつわる会食の機会は、私の方が多かった。職種や個人の考え方にもよるが、こうしたコミュニケーションの有用性は感じている。

 感染予防のためには全て不参加がベストだろう。ただ、相手にとってはどうしても必要な会食なのかもしれない。それが不要不急かどうか、第三者の私が判断するのは悩ましい。かといって感染リスクも避けたい。

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